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蜜蝋鋳造のジュエリーの魅力

蜜蝋というと蜂の巣のロウのことで、それがアクセサリーと結びつくとなると、アクセサリーのことにかなり詳しい方ではないかと思います。

アクセサリーというと少し範囲が広く、ビーズなどの既製のパーツを組み合わせただけの簡単なものも含まれますので、ここからは貴金属のジュエリーということで、お話します。

蜜蝋鋳造という言葉は、正式にはないのですが、原型に蜜蝋を使った引き目模様が美しいジュエリーを蜜蝋鋳造のジュエリーと名付けました。

蝋型鋳造(ろうがた ちゅうぞう)という技法の中のひとつです。
蝋で作りたい形を作り、周りを石膏で固め、それを焼却すると蝋が溶けて流れて、空洞ができます。
そこに溶かした地金(この場合は金や銀、プラチナ)を流し込みます。
そして、蝋で作ったものが、金属に置き換わります。

この一連の作業を「鋳造」といいます。

蝋には、いろいろ種類があり、板状の体温ぐらいの温度で柔らかく形作れる「ソフトワックス」や、彫刻刀で彫るような固い蝋、ろうそくのような固さの「ハードワックス」があります。
他にも、少し弾力があり固さはあるけれど、壊れにくいものなど、これらは、パラフィンで石油から作られます。

蜜蝋鋳造に使う蝋は、蜂の巣の蜜蝋と松やにと少しだけパラフィンを混ぜたものを使います。
ただ、これは決まっているわけでなく、つくりてがそれぞれの配合で、作りやすいものを使っています。
配合は、季節によっても若干違います。

その蜜蝋を煮溶かして、温度を覚まし、手で触れるぐらいの温度になった時に手に取り、練ります。
言葉だけで説明をするのは難しいのですが、それを両手で持ち引くと引き目模様の線ができます。

それを形作って原型にします。
ラインが特徴なので、ゆったりとした流れのある空間を意識した形がよく合います。

アールヌーボーのような植物的なイメージです。
流れがあるということは、そこに考えや物語のようなものも感じさせることができます。

具体的な形ではないので、見る人によって、それぞれの世界を、物語を感じていただけるような奥深いものもあります。

前にお客様で、蜜蝋の魅力を感じていただき、リングのオーダーをいただきました。
パールのリングを4点でした。
2つは、全く新しくリングをデザインする物でしたが、一つは、お手持ちの白く大きなパールのリングを生かして、普段にも着けられるリングが出きないかというご依頼でした。
そのリングは、パールの周りにダイヤが付いているので、フォーマルな時にしかしづらいということでした。

そこで、そのパールのリングごと取り囲むように蜜蝋でデザインにしました。
初めからシルバーリングだったように見えて、普段使いもできるようにしたのです。
リングそのままでも、新たに作ったシルバーのリングを付けて新しいデザインにしたリングでも、その時の気分によって、2種類の使い方ができます。

それがこちらです。





横から見ると、よくわかりますが、2本のリングを一緒にはめます。
まるで、一つのリングのようです。

黒いパールのデザインはこちらです。



シルバーと黒いパールがよく合います。

白いパールは、どれも大きいので、リングにしたときにぶつけて傷がついたりしないように、蜜蝋でカバーしたデザインです。





大きなデザインがよくお似合いの方なので、これだけのデザインができました。
デザインのし甲斐があるリングでした。

出来上がりをとても喜んでいただけました。
特にダイヤの入ったリングは、普段使いも改まった時にもできるようになったので、気に入っていただけました。

このように、蜜蝋でデザインすると確実にどこにもない雰囲気のあるリングが仕上がります。
また、シルバーが少しずつ変色していっても、蜜蝋なら味わいのあるように変化するので、よりお勧めなのです。

まだ、蜜蝋のジュエリーをご覧になったことがない方は、ぜひ作品展で触れていただけたらと思います。

2017-11-11 | Posted in at AtelierNo Comments » 
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