2017-12

TV番組から、陶芸作家と職人の違いをふと思う

ローカルなTV番組で、地元の「職人」を紹介するコーナーがある。
地元のことなので、結構見ることが多い。

その中で、その職人さんが発する言葉が、毎回興味深い。


今回は、陶芸家。
その人の言葉にまず「!」「?」ときた。

職人であって、作家ではない。

理由が気になる。

自分の周りの物づくりを考えてみると、「作家」ばかりだと思う。
「職人」と言われるのをたぶん、快く思っていないはず。

TVの中の人の理由は?
まず、仮説。
作家ではないということは、「技術」にこだわっているのだと思う。
ご本人は、技術がすごいということなのだろうと思う。
つまり、作家は職人よりも技術が下。
技術より、芸術性。
なぜその形であるのか。
考えを優先するもので、技術はあまりない。
という考え方かな。

確かにTVの人は、かなりの腕があると思った。

懇意にさせていただいていた陶芸家の田尻誠さんは、間違いなく作家だった。
ご本人は「焼き物屋」だとおっしゃっていた。

食べられない頃、急須づくりの仕事をかなりやったので、技術が身についたと、確か、生前おっしゃっていたと思う。

田尻さんがろくろを引くと土の中から、魔法のように形が出てきた。
作りながら、解説してくださって、急須の長い口も、持ち手も、蓋も蓋のつまみまでもが、するりと滑らかに出てきた。

まさに、出てくる感じ。
そして、時には断面をみせるために、切ると厚みが薄く揃っていた。

やっぱり作家だったと思う。

TVでは、そこまでじっくり映していなかったけれど、同じように簡単に形を滑らかに作っていた。

急須を作るその人は、ひとつひとつ形が違うものと言っていた。
同じものを作るのは、好きではないとも。
自然の中の物からヒントをもらうと。

それは、ほとんど作家の考え方だと思う。
だは、なぜ作家でなく職人というのか。
そこが、気になるところだったけど、深く掘り下げては、聞いていなかったなぁ。
残念。

職人か作家か。
これは、別のジャンルでもよくある話。

ジュエリー界でいうと、

作家志向の人は、職人は技術はあっても、昔からの面白みに欠けるものしか作れない人のように言う。

職人側の人は、
おもしろければいいという感覚で、使えるものを作らない。

などと、少し強調して書いたけれど、大筋ではこういうことではないかと思う。

お互い、根底に批判の気持ちがあるのでは・・・(笑)

なので、私の目からするとほぼ作家ではないかという、TVの中の人の心の内を想像し、いろいろと考えてしまった日曜の午後でした。

私は、自分のことを職人だとは思っていなくて・・・
恐れ多くて、とても職人だなんて思えません。

職人というのは、何より「卓越した技術」がないとと思っています。

では、作家と職人、どっちで思われたいかと言えば、

やはり

作家です。

2017-12-03 | Posted in at AtelierNo Comments »